トレードログ
USD/JPY の各トレードを、エントリー根拠、初期リスク、実結果、原因分析、改善案まで同じ粒度で記録するためのテンプレートです。 エントリー日時、JST 時間帯、方向、ロット、使用指標、SL / TP、実結果、R倍などを1トレード1件で残すことで、時間帯別成績や手法別の期待値を後から検証できます。 デイトレやスイングの振り返り、損切り・利確設計の見直し、ルール違反の再発防止に使ってください。
基本方針
トレードログは日記ではありません。 売買判断を再現できる検証データです。
USD/JPY では、最低でも次を記録します。
- いつ入ったか
- どの時間帯で入ったか
- 何を根拠に入ったか
- どこで仮説が崩れる設計だったか
- いくらリスクを取ったか
- 結果が何Rだったか
- 勝因または敗因が事前ルール内だったか
- 次回の行動をどう変えるか
1回ごとの勝ち負けでは評価しません。 R倍と時間帯で集計します。
コピー用テンプレート
# Trade Log: YYYY-MM-DD USD/JPY Long/Short
## 基本情報
| 項目 | 記録 ||---|---|| トレードID | YYYYMMDD-001 || エントリー日時 | YYYY-MM-DD HH:MM JST || 決済日時 | YYYY-MM-DD HH:MM JST || 時間帯 (JST) | 東京仲値前 / 東京後場 / ロンドン参入 / NY指標 / NY後半 || 通貨ペア | USD/JPY || 方向 | Long / Short || ロット・数量 | 例: 0.4 lot / 40,000 USD || 口座残高 | 例: 1,000,000円 || 許容リスク | 例: 1.0% / 10,000円 || 戦略名 | 押し目買い / 戻り売り / 東京レンジ / ブレイクアウト / ニュース後順張り || 時間足 | 例: 日足 / 4H / 1H / 15M / 5M |
## エントリー計画
| 項目 | 記録 ||---|---|| エントリー価格 | 例: 150.20 || SL | 例: 149.90 || TP | 例: 150.80 || 初期リスク | 例: 30 pips || 想定利益 | 例: 60 pips || 事前R倍 | 例: 2.0R || エントリー根拠 | 例: 1H上昇トレンド、20EMA反発、東京高値上抜け後の押し目 || 使用指標 | 例: 20EMA, 75SMA, RSI(14), ATR(14) || 上位足環境 | 例: 4Hは高値・安値切り上げ、日足200SMA上 || 水平線・節目 | 例: 150.00、150.50、前日高値 || ファンダ材料 | 例: 米金利上昇、重要指標なし、日銀発言なし || 入ってはいけない条件 | 例: 仲値直前の高値掴み、米指標15分前、1H終値が20EMA下 |
## 実結果
| 項目 | 記録 ||---|---|| 決済価格 | 例: 150.65 || 決済理由 | TP / SL / 建値 / 手動利確 / 時間切れ / ルール違反 || 実損益 | 例: +45 pips / +18,000円 || 実R倍 | 例: +1.5R || 最大含み益 | 例: +55 pips || 最大含み損 | 例: -12 pips || スプレッド・滑り | 例: 0.3 pips / 1.2 pips || 保有時間 | 例: 2時間15分 || スクリーンショット | entry: `path/to/image` / exit: `path/to/image` |
## 原因分析
| 項目 | 記録 ||---|---|| ルール遵守 | Yes / No || 勝因・敗因 | 例: ロンドン初動で東京レンジを上抜け、押し目が浅かった || 良かった点 | 例: SLを構造下に置き、途中で狭めなかった || 悪かった点 | 例: TP手前で分割利確し、平均利益Rを削った || 相場要因 | 例: 米金利上昇、株高、円売り継続 || 自分要因 | 例: 直前の負けを取り返す意識があった || 改善案 | 例: ロンドン初動は5Mではなく15M終値で押し目確認する || 次回ルール | 例: 事前Rが1.5R未満なら見送る |記録項目の意義
| 項目 | 意義 |
|---|---|
| トレードID | 後で検索・集計しやすくする。日付と連番で十分である。 |
| エントリー日時 | 判断した瞬間を固定する。後から都合よく根拠を作らないために必要である。 |
| 決済日時 | 保有時間を測る。短期手法が長期保有に変質していないか確認する。 |
| 時間帯 (JST) | USD/JPY は時間帯で主役が変わる。東京実需、ロンドン勢、NY指標を混ぜて集計しない。 |
| 通貨ペア | USD/JPY とクロス円を同じ成績に混ぜない。値動きの原因が違う。 |
| 方向 | Long と Short を分ける。USD/JPY は金利差、介入警戒、リスクオフで方向別の成績が偏る。 |
| ロット・数量 | リスクを金額に直すために必要である。勝った負けたより、過大ロットを検出する。 |
| 口座残高 | リスク%を計算する基準である。残高更新を怠るとロットが過大になる。 |
| 許容リスク | 1回の負けを事前に固定する。損切り後に「想定外」と言わないための項目である。 |
| 戦略名 | 押し目買い、レンジ逆張り、ブレイクアウトを混ぜない。手法ごとの期待値を見る。 |
| 時間足 | 根拠にした足を残す。5Mの根拠で入ったのに、負けた後だけ4Hを持ち出さない。 |
| エントリー価格 | pips、R倍、滑りを計算する起点である。 |
| SL | トレード仮説が崩れる価格である。損失許容額ではなく、構造の無効化ラインで決める。 |
| TP | 利確候補を事前に固定する。含み益中の感情決済を減らす。 |
| 初期リスク | entry - SL の距離である。USD/JPY では価格差に100を掛けてpipsにする。 |
| 想定利益 | TP - entry の距離である。損切り幅と比較してR倍を出す。 |
| 事前R倍 | 入る前の損益比である。結果Rと比較し、利確が早すぎる癖を検出する。 |
| エントリー根拠 | 価格構造、時間帯、指標、ファンダを文章化する。根拠が1行で書けない取引は見送る。 |
| 使用指標 | MA、RSI、MACD、ATRなど、判断に使ったものだけを書く。後付け指標は書かない。 |
| 上位足環境 | 下位足のシグナルを上位足の方向でフィルタする。逆張りか順張りかを明確にする。 |
| 水平線・節目 | USD/JPY は丸値、前日高値安値、日足節目が意識されやすい。TP/SLの妥当性を見る。 |
| ファンダ材料 | 米金利、日銀、米指標、介入観測を残す。テクニカルだけで説明できない損益を分類する。 |
| 入ってはいけない条件 | 事前の禁止条件である。負けた後の反省ではなく、入る前のチェックに使う。 |
| 決済価格 | 実損益を確定する価格である。分割決済なら平均決済価格を書く。 |
| 決済理由 | TP/SL/手動/建値/時間切れを分ける。手動決済の多さはルール崩れとして扱う。 |
| 実損益 | pipsと円の両方で書く。pipsは手法評価、円は資金管理評価に使う。 |
| 実R倍 | 初期リスクに対する結果である。全トレードを同じ単位で比較できる。 |
| 最大含み益 | 利確が早いか遅いかを確認する。TP未達の理由分析に使う。 |
| 最大含み損 | エントリー精度を見る。毎回大きく逆行するなら入る位置が悪い。 |
| スプレッド・滑り | 短期売買ではコストが期待値を削る。ニュース時は特に別集計にする。 |
| 保有時間 | スキャル、デイトレ、スイングが混在していないかを見る。 |
| スクリーンショット | 後からチャート環境を再現する。エントリー時と決済時の2枚を残す。 |
| ルール遵守 | 勝ってもルール違反なら失敗である。負けてもルール通りなら検証対象である。 |
| 勝因・敗因 | 相場要因と自分要因を分ける。すべてをメンタルのせいにしない。 |
| 良かった点 | 継続すべき行動を明確にする。勝ちトレードも必ず検証する。 |
| 悪かった点 | 修正対象を1つに絞る。抽象的な反省は次回に効かない。 |
| 改善案 | 次に変える行動を書く。「慎重にする」ではなく、条件、時刻、数値で書く。 |
| 次回ルール | 改善案を売買ルールに落とす。次回のチェックリストに入れる。 |
USD/JPY の計算
USD/JPY では通常、0.01円 = 1 pip として扱います。
pips = abs(exit_price - entry_price) * 100買いの例です。
entry = 150.20SL = 149.90TP = 150.80
初期リスク = (150.20 - 149.90) * 100 = 30 pips想定利益 = (150.80 - 150.20) * 100 = 60 pips事前R倍 = 60 / 30 = 2.0R売りの例です。
entry = 150.20SL = 150.50TP = 149.75
初期リスク = (150.50 - 150.20) * 100 = 30 pips想定利益 = (150.20 - 149.75) * 100 = 45 pips事前R倍 = 45 / 30 = 1.5RR倍は次で計算します。
実R倍 = 実損益pips / 初期リスクpips例です。
初期リスク = 30 pips実損益 = +45 pips実R倍 = +45 / 30 = +1.5R損切りならマイナスで書きます。
初期リスク = 30 pips実損益 = -30 pips実R倍 = -1.0RJST 時間帯タグ
FX は中央取引所がないため、時間帯は厳密な開閉ではなく主要金融センターの活動時間として扱います。
| 時間帯 (JST) | タグ | USD/JPY で見ること |
|---|---|---|
07:00-08:30 | 早朝・薄商い | スプレッド、前日NYの流れ、週明けギャップを確認する。新規エントリーは絞る。 |
08:30-09:55 | 東京仲値前 | 実需フローを警戒する。仲値前の高値掴み・安値売りを避ける。 |
09:55-11:30 | 仲値後・東京前場 | 仲値通過後の失速、反転、レンジ化を確認する。 |
12:30-15:00 | 東京後場 | 材料がなければ値幅が細りやすい。レンジ手法は別集計にする。 |
15:00-16:00 | 東京引け前後 | ポジション調整でレンジ端を抜くことがある。ブレイクの持続を確認する。 |
16:00-18:00 | ロンドン参入 | 東京レンジの高値・安値ブレイクを警戒する。夏時間は早め、冬時間は遅めに見る。 |
21:30/22:30 | 米指標 | 米夏時間は 21:30 JST、冬時間は 22:30 JST が多い。指標15分前の新規エントリーは避ける。 |
22:30/23:30-01:00 | NY前半 | 米金利、株式、ドル指数でUSD/JPYが動きやすい。 |
01:00以降 | NY後半 | 流動性低下と手仕舞いを警戒する。デイトレは時間切れ決済を検討する。 |
ログには必ず時間帯タグを書きます。 同じ押し目買いでも、東京後場とロンドン参入では期待値が違うためです。
記入例
# Trade Log: 2026-07-10 USD/JPY Long
## 基本情報
| 項目 | 記録 ||---|---|| トレードID | 20260710-001 || エントリー日時 | 2026-07-10 16:25 JST || 決済日時 | 2026-07-10 18:40 JST || 時間帯 (JST) | ロンドン参入 || 通貨ペア | USD/JPY || 方向 | Long || ロット・数量 | 0.4 lot / 40,000 USD || 口座残高 | 1,000,000円 || 許容リスク | 1.0% / 10,000円 || 戦略名 | 東京レンジ上抜け後の押し目買い || 時間足 | 1H / 15M / 5M |
## エントリー計画
| 項目 | 記録 ||---|---|| エントリー価格 | 150.20 || SL | 149.95 || TP | 150.70 || 初期リスク | 25 pips || 想定利益 | 50 pips || 事前R倍 | 2.0R || エントリー根拠 | 1H上昇、東京高値上抜け、15Mで20EMAまで押して反発 || 使用指標 | 20EMA, 75SMA, RSI(14), ATR(14) || 上位足環境 | 4Hは高値・安値切り上げ、日足は200SMA上 || 水平線・節目 | 150.00、150.50、前日高値150.72 || ファンダ材料 | 米金利上昇、米重要指標なし、日銀発言なし || 入ってはいけない条件 | 15M終値が20EMAを下抜けたら見送り |
## 実結果
| 項目 | 記録 ||---|---|| 決済価格 | 150.62 || 決済理由 | 前日高値手前で手動利確 || 実損益 | +42 pips / +16,800円 || 実R倍 | +1.68R || 最大含み益 | +47 pips || 最大含み損 | -8 pips || スプレッド・滑り | 0.3 pips / 0.4 pips || 保有時間 | 2時間15分 || スクリーンショット | entry: `charts/20260710-001-entry.png` / exit: `charts/20260710-001-exit.png` |
## 原因分析
| 項目 | 記録 ||---|---|| ルール遵守 | Yes || 勝因・敗因 | ロンドン勢の参加で東京レンジ上抜けが継続した || 良かった点 | SLを押し安値下に置き、途中で狭めなかった || 悪かった点 | TPの150.70まで待てず、前日高値手前で早く利確した || 相場要因 | 米金利上昇、ドル買い優勢 || 自分要因 | 直近の負けを意識して利益を急いだ || 改善案 | 前日高値手前で半分利確、残りはTPまたは15M 20EMA割れで決済する || 次回ルール | 事前TPまで10 pips未満なら、全決済ではなく半分決済にする |集計方法
個別ログは、週次で次の軸に集計します。
| 集計軸 | 見ること |
|---|---|
| 時間帯別R | 東京、ロンドン、NYで期待値が違うか |
| 戦略別R | 押し目買い、戻り売り、レンジ、ブレイクアウトのどれが機能しているか |
| 方向別R | USD/JPYのLongとShortで偏りがあるか |
| ルール遵守別R | ルール通りの取引だけで期待値があるか |
| 指標イベント有無 | 米CPI、雇用統計、FOMC、日銀会合前後で成績が崩れていないか |
| 保有時間別R | 早すぎる利確、長すぎる保有を検出する |
| 最大含み益別 | 利確ルールが利益を削っていないか |
| 最大含み損別 | エントリーが早すぎないか |
週次レビューでは、勝率より先に平均Rを見ます。
平均R = 全トレードの実R倍合計 / トレード数ルール違反を含めた平均Rと、ルール遵守のみの平均Rを分けます。 差が大きい場合、手法ではなく執行が問題です。
落とし穴
- 感想だけを書く:「焦った」「悔しい」だけでは再現性がない。必ず価格、時間帯、根拠、R倍に落とす。
- 勝ちトレードを分析しない:勝ちも検証対象である。偶然勝ちをルール化すると次に崩れる。
- 時間帯を混ぜる:東京レンジの逆張りとロンドンブレイクを同じ成績に混ぜると、手法の性格を誤る。
- 事前Rを書かない:入る前のRがないと、利確が早いのか、TP設計が悪いのか判断できない。
- SLを後から正当化する:損切り位置はエントリー前に決める。負けた後に「本当はここだった」と書かない。
- ロットを曖昧にする:pipsで勝って円で負ける原因は過大ロットである。数量と許容リスクを必ず残す。
- 指標を後付けする:エントリー時に見ていなかった指標は根拠に入れない。
- スクリーンショットを決済後だけ残す:必ずエントリー直後のチャートを残す。後から見たチャートは情報が増えている。
- 改善案が抽象的:「慎重にする」は改善案ではない。「米指標15分前は新規禁止」のように行動へ変換する。
- 円損益だけで判断する:円損益はロットに左右される。手法評価はR倍で行う。
- ニュース時の滑りを通常時に混ぜる:米CPI、FOMC、日銀会合、介入観測時は別タグで管理する。
- 建値撤退を勝ち扱いする:建値は0Rである。心理的勝利として処理しない。
参考
- Investopedia, “Understanding Forex Risk Management” — リスクは測定できれば管理しやすく、取引ごとの理由を記録する重要性を説明している。
- Investopedia, “Pips and How They Work in Currency Pairs” — JPY建て通貨ペアでは1 pipを小数第2位、つまり
0.01として扱う。 - Investopedia, “The Forex 3-Session Trading System” — FX市場を東京、ロンドン、ニューヨークの主要セッションで整理している。
- BIS, “OTC foreign exchange turnover in April 2025” — FX市場の規模、米ドル・日本円の取引シェア、主要金融センターの集中度を確認できる。